スターアライアンスとワンワールドを比較
マイレージまめ知識
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マイレージの比較はアライアンスまで視野を広げて考える
マイルを効率よく貯めるためには、利用する航空会社やマイレージプログラムを1つに絞ったほうが有利です。中でも、利用者が多い国内最大手の航空会社ANAとJALで、「どちらのマイルを貯めよう?」と、迷っている方は多いでしょう。
結論を先に言えば、マイルの貯まり方は、フライトの利用頻度や、よく利用する就航路線・航空券の種類などにより異なるため、ANAとJALのどちらが有利になるかは人それぞれです。 しかし、両者のマイレージを比較する際に、航空会社の連携組織「アライアンス」まで視野を広げてみると、より自分に適した航空会社を選ぶヒントになるかもしれません。アライアンスを利用すれば、ANAやJAL単体では就航していないエリアのフライトでもマイルを貯めることができるようになります。頻繁に飛行機を利用する方であれば、利用する航空会社を1つのアライアンスに絞ることで、上級会員を目指すことも可能でしょう。
そこで本特集では、ANAが所属する「スターアライアンス」と、JALが所属する「ワンワールド」という2つのアライアンスについて解説しながら、JALとANAを比較していきます。ご自身に合った航空会社を選ぶ際の参考にしてください。
スターアライアンスとは?
スターアライアンスは、加盟航空会社数28社(2017年9月現在)と、世界最大級の航空アライアンスです。加盟航空会社が多い分、カバーエリアも広く、特にアジア圏のネットワークはワンワールドに勝るとも劣りません。
加盟航空会社のうち一社のマイルプログラムに参加すれば、自動的にスターアライアンスのプログラムに参加することになります。参加後は、スターアライアンス加盟航空会社のフライトを利用し、マイルを貯めることが可能に。(ANA以外の加盟航空会社を利用した場合は、各航空会社のマイレージプログラムに準じたマイル数が加算されます。)
スターアライアンスの上級会員を目指すには
スターアライアンスでは「シルバー」「ゴールド」の2つの会員クラスが存在します。ANA独自の上級会員資格「プレミアムメンバーサービス」のステータスが、そのまま、スターアライアンスでのステータスに反映され、ANAの「ブロンズステータス」であればスターアライアンスの「シルバーステータス」に、ANAの「スーパーフライヤーズ会員」「ダイヤモンドステータス」「プラチナステータス」であれば、スターアライアンスの「ゴールドステータス」を自動的に手にすることができます。
ANAの場合、ステータスを上げるためには、マイルとは別のプログラムである「プレミアムポイント」を貯めることが必要です。プレミアムポイントは、ANAグループ運行便・ANA便名のコードシェア便(ANA便名で予約・搭乗に限る)・スターアライアンス加盟航空会社を利用するたびに加算されるポイントで、1月から12月の1年間でのポイントが翌年のステータスを決定します。
スターアライアンスステータス | ANAステータス | 必要プレミアムポイント数 | うちANAグループ運行便利用分 |
---|---|---|---|
シルバー | ブロンズ | 30,000 | 15,000 |
ゴールド | プラチナ | 50,000 | 25,000 |
ダイヤモンド | 100,000 | 50,000 |
ANAが発行するクレジットカード「ANAゴールドカード」「ANAカード プレミアム」を保有すると、年間のプレミアムポイントが30,000ポイント以上あれば、ANAグループ便利用分のプレミアムポイントが15,000ポイントに満たない場合でも「ブロンズステータス」を維持できる点にも注目です。また、これらのカードを利用することで、搭乗時のボーナスマイルが優遇されるので、よりマイルが貯まりやすく、ステータスを維持しやすくなります。
後述するJALと比較すると、50,000ポイントでアライアンスの最上位ステータス「ゴールド」を獲得できるという点では、ANAの方が有利と言えるでしょう。
シルバー |
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ゴールド |
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スターアライアンス加盟航空会社 |
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ワンワールドとは?
ワンワールドは、加盟航空会社数が15社(2017年9月現在)とその数はスターアライアンスに劣るものの、ブリティッシュ・エアウェイズ(イギリス)、イベリア航空(スペイン)、Finnair(フィンランド)、エア・ベルリン(ドイツ)などが加盟していることより、ヨーロッパの主要国をほぼ網羅している点が強みです。また、オセアニア地方で最大規模のネットワークを誇るカンタス航空(オーストラリア)が加盟しており、JALの就航エリアも加えると、そのカバー範囲は非常に広いことがわかります。
すでにJALのマイルプログラムJMB(JALマイレージバンク)に参加している方は、ワンワールドに加盟している航空会社を利用する際に、JMBの「お得意様番号」を申し出たうえで搭乗することにより、マイルが貯まります(会員名で発券された航空券であることが条件)。
ワンワールドの上級会員を目指すには
ワンワールドの上級会員資格は、「ルビー」「サファイヤ」「エメラルド」の3つ。ワンワールド路線網のどの航空会社のフライトを利用しても、これらの資格獲得に必要なポイント・マイルが獲得できます。JALの場合も、独自の上級会員制度である「FLY ONプログラム」のステータスに応じて、自動的にワンワールドステータスを手にすることが可能。
FLY ONプログラムは、ANAのプレミアムポイント制度と同様、搭乗するたびにマイルとは別にFLY ONポイントが加算され、1月から12月の1年間のポイント数で翌年のステータスが決まります。
ワンワールドステータス | JALステータス | 必要FLY ONポイント数 | うちJALグループ運行便利用分 |
---|---|---|---|
ルビー | JMBクリスタル | 30,000 | 15,000 |
サファイヤ | JMBサファイヤ | 50,000 | 25,000 |
エメラルド | JMBプレミア | 80,000 | 40,000 |
JMBダイヤモンド | 100,000 | 50,000 |
※FLY ONポイントの計算方法は「フライトマイル×FLY ONポイント換算率+キャンペーンボーナスポイント」です。
ルビー |
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サファイヤ |
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エメラルド |
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ワンワールド加盟航空会社 |
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それぞれの特徴を比較!航空連合の賢い選び方
1.加盟航空会社で選ぶ
それぞれのアライアンスには、加盟している航空会社に違いがあります。まずは、ご自身がよく利用する航空会社が、どちらのアライアンスに加盟しているかを一つの基準にしてみましょう。
また、「よく利用する」だけではなく「予約が取りやすい」「航空券の価格が安い」「機内サービス等の質が高く、今後も積極的に利用したい」など、使い勝手の面で航空会社を選び、その航空会社がどちらのアライアンスに加盟しているかで決めるのもいいでしょう。ANAは、イギリスの航空サービスリサーチ会社・SKYTRAXによる「ワールド・エアライン・レーティング」で、 5年連続で「5スター」を獲得したことでも有名です。
2.就航エリアで選ぶ
アライアンスを比較する際に一番注目すべき点は、利用するエリアに運行便があるかどうかです。いくらサービスの質が高い航空会社でも、よく行く地域をカバーしていなければ意味がありません。例えば、アジア圏への旅行が多い方はスターアライアンス、オセアニアへの旅行が多い方はワンワールドなど、加盟している航空会社で比較してみましょう。 どれくらいの頻度で、どのエリアによく行くのかを考えた上で、より頻度の高いアライアンスを選択するのがおすすめです。
3.マイルで選ぶ
マイルの貯まりやすさや有効期限を基準に、アライアンスを比較してみるのも有効な手段です。
マイルの貯まりやすさでは、割引運賃でもマイルの積算率が高い航空会社を選ぶことで、少ない出費で多くのマイルを貯めることができます。多くの航空会社では、割引運賃の場合、普通運賃の50~70%のマイル積算率になっています。少しでも、割引運賃でも多くマイルが貯まる航空会社を選ぶのもポイントです。
また、マイルには通常、有効期限が設けられています。ANAとJALのマイルは、獲得した日から3年で失効します。しかしANAでは、「ミリオンマイラープログラム」が用意されており、「ライフタイムマイル(LTマイル)」が100万を超えると、未使用のマイルが延長され、それ以降はマイルが失効することがなくなります。
アライアンスステータスによるサービスにも注目
どちらのアライアンスも加盟している航空会社が違い、カバーしているエリアや特徴が異なるため、一概にどちらがおすすめとは言いがたい部分があります。自分の中で重視するポイントを絞り、それを軸にどちらがお得かを比較してみましょう。
また、ワンワールドでは「サファイヤステータス」で座席の優先指定が、「エメラルドステータス」で一部の空港のファーストクラスラウンジの利用ができます。一方、スターアライアンスでは、最上位の「ゴールド会員」でも上記のような特典はありません。
ANA・JALなどの航空会社単位での比較に加え、そうしたアライアンス単位でのサービスの違いもありますので、併せて注目し比較してみましょう。
著者:久我裕紀